関連法令・本文

2016年2月 4日 木曜日

1.渉外契約

日中渉外契約のポイント
① 当事者の確認
 中国企業について、商号(中国語では「企業名称」という)、本店所在地、代表者(董事長)、経営範囲、経営期限などを確認することが必要です。 単に名刺だけ見せられて信用してはいけません。中国の場合、実在しない企業名称の名刺を持った人物や、当該会社は存在していても、役員でない人物が交渉の場に出てくることもあり、注意が必要です。
  中国の登記機関である工商行政管理局からオンラインで企業情報をとることができます。「企業信用信息公示系統(企業信用情報公示システム)」です。
  経営範囲は、当該企業が契約できる内容を画するものですので、その点も確認しなければなりません。
② インコタームズ2010の適用の有無
 貿易取引の場合、貿易条件として、引渡場所に応じた費用および危険の負担を分担を定めたインコタームズ2010を適用するか否かを定める必要があります。
③ ウィーン条約の適用の有無 
 動産売買の場合、国連動産売買契約に関する条約(ウィーン売買条約。日本は2008年7月1日に加盟し、2009年8月1日に発効)を適用させるか、適用を排除するかを定める必要があります。
④ 準拠法
 契約書には、取引に関する内容や当事者の権利義務が定められていますので、定められている事項については、準拠法の問題は出てきませんが、定められていない事項に関して問題が生じた場合には、準拠法がどのように定めているか否かを調査し、解釈の基準となります。また、準拠法は、実体法の面と手続法の面があります。
 当該契約の解釈基準として、いずれの当事者の国の法律を適用するのか、または第三国の法律を適用するのかの問題です。
 当事者は、契約で自由に準拠法を定めることができます。
⑤ 紛争解決機関
 契約に関する紛争の解決機関を定める必要があります。国内契約の場合には、国内にある第1審の民事裁判管轄を有する裁判所を合意するのが一般的ですが、渉外契約の場合は、いずれかの国の裁判所の管轄を合意しても、実効性はありません。その判決は、相手国の裁判所は効力を認めず、相手国では強制執行ができず、改めて相手国の裁判所に訴えを提起しなければならないからです。日中渉外契約では、国際商事仲裁機関を紛争解決機関とするのが一般的です。国際条約として、加盟国の仲裁判断を他の加盟国でも有効とする条約(ニューヨーク条約)があり、日本も中国も加盟していますので、一方の国の仲裁機関の仲裁判断(中国の場合は仲裁裁決)に基づき、相手国の裁判所に強制執行することができます。
 次に、いずれの国の国際商事仲裁機関と指定するかです。 中国では、中国国際経済仲裁委員会(CIETAC)などがあり、日本では、一般社団法人日本商事仲裁協会(東京本部、大阪事務所)です。協議が整わない場合、申立ては相手国の仲裁機関に申立をしなければならないとする「被告主義」をとる場合もあります。
 仲裁機関は、中国の場合、2014年にCIETACの上海分会と華南分会が北京本部から独立宣言したために紛糾しましたが、上海分会は上海国際経済仲裁委員会上海国際仲裁センターに、華南分会は華南国際経済仲裁委員会深圳国際仲裁院となり、CIETACとは別の仲裁機関として認められるようになりました。




投稿者 共栄法律事務所

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